アジアの急成長都市において、現地のインフラと日本のIT技術を架橋するソリューションを展開する株式会社グローバルブリッジ。今や数百名の多国籍チームを率いる女性CEOの櫻井氏ですが、その第一歩は、言葉も全く通じない異国の地に「たった一人、バックパック一つ」で乗り込んだところから始まりました。学生インタビュアーの佐藤さんが、その驚くべき行動力と現地での信頼獲得の極意を尋ねました。

言葉の壁を超えた、情熱の「身振り手振り」

最初は本当に一人で現地の海外拠点を立ち上げられたのですか?
櫻井 絵里奈 氏

はい、現地(タイ・バンコク)に降り立った時は知り合いもゼロ、英語もほとんど伝わらないローカルエリアでした。当然タイ語も話せません。最初の1ヶ月はホテル暮らしをしながら、とにかくオフィスを探して不動産屋を回りました。身振り手振りとスマートフォンの翻訳アプリ、そして『ここにアジア最強のビジネス拠点を作るんだ!』という情熱だけで会話していましたね(笑)。でも、一生懸命に自分の思いを伝えようとする姿を見て、地元の不動産屋のオーナーがすごく親切にしてくれて、条件の良い場所を紹介してくれたんです。

現地の優秀なメンバーをゼロから採用する際、どのようなハードルがありましたか?
櫻井 絵里奈 氏

日本での実績やブランド力は、アジアのローカル市場では全く通用しませんでした。求人を募集しても誰も応募してこないし、面接に来ても『聞いたことがない怪しい会社』として警戒されました。そこで私は、候補者と対面した際に『日本の技術を使って、タイのこの社会的課題を一緒に解決したい。そのためにあなたの力が必要だ』と、会社の理念と個人の将来性を重ね合わせるビジョンを徹底的に語りました。さらに、日本のやり方を無理に押し付けず、現地の文化や仕事の進め方を尊重することを約束しました。

文化の違いを「障壁」ではなく「多様性の強み」へ

現地で雇用したスタッフとの信頼関係は、どのように構築されたのですか?
櫻井 絵里奈 氏

日本と異なり、自己主張や家族との時間を非常に大切にする文化があります。私は彼ら一人ひとりと毎週1対1の面談(1on1)を設け、仕事だけでなくプライベートや家族の話、夢についてもじっくり聞きました。さらに、オフィスに『みんなの家族の写真』を貼るスペースを作り、アットホームな雰囲気を作りました。次第にスタッフが『このボスは私たちの人生を本当に心配し、考えてくれている』と理解してくれるようになり、離職率が劇的に下がっただけでなく、自発的にアイディアを出してくれる強いチームになりました。

グローバルな世界へ踏み出す若者へ

世界を舞台に挑戦したい、あるいは海外に興味がある学生にアドバイスをお願いします。
櫻井 絵里奈 氏

『語学が完璧になってから』『十分な資金ができてから』と準備をしていると、あっという間に時間は過ぎてしまいます。世界に出るために最も必要なのは、完璧な英語力ではなく、目の前の相手と心を通わせる『対話への執念』です。不完全な自分でもいいから、まずは現場に飛び込んでみる。そこから始まる対話が、あなたの可能性を無限に広げてくれます。世界は広く、チャンスに満ち溢れています。ぜひ勇気を出して、国境を飛び越えてください!

(インタビュアー佐藤さんより)
言葉や文化の壁を障害と捉えるのではなく、1on1での対話を通じて強みに変えていく櫻井CEOの姿勢に深く感銘を受けました。完璧な準備を待つより、まず飛び出す勇気が自分の限界を打ち破る鍵なのだと教わりました。本当にありがとうございました!