地球温暖化対策や再生可能エネルギーへの注目が高まる昨今。しかし、十数年前は状況が全く異なりました。合同会社エコロジックの創業期、代表の沢田氏は「詐欺師」や「夢想家」と笑われながらも、日本のエネルギー自給率向上に向けた孤高の挑戦を続けていました。学生インタビュアーの小林さんが、その激動の半生を紐解きます。
逆風だらけのスタートライン
当時はクリーンエネルギーという言葉自体、一部の環境活動家だけの専門用語でした。ビジネスとして成り立つわけがないと言われ、銀行に行っても『太陽の光や風で電気が売れるわけがない』と一蹴されました。地元の農家さんを説得して、耕作放棄地をお借りして小規模な太陽光パネルを設置しようとしたのですが、地域からは『怪しい東京の業者が山を壊しにきた』と警戒され、最初の半年間は誰一人として話も聞いてくれませんでしたね。
近道はありませんでした。毎週、地元の集会所や公民館に足を運び、膝を突き合わせて話をしました。僕たちが作りたかったのは、単なる発電所ではなく、地域のエネルギーを地域で消費し、売電収入の一部を地域のインフラ整備に還元する「地域循環型」の仕組みです。僕たちの本気度を示すために、私自身の住民票も現地に移し、毎日草刈りを手伝ったり、お祭りに参加したりしました。そうした泥臭い行動を続けて1年が経った頃、ようやく一人の地主さんが『あんたの熱意に負けた』と、土地を貸してくれたんです。
誰もやらない「異端」だからこそ価値がある
誰も見向きもしないということは、競合がいないチャンスでもあるんです。誰もが『無理だ』『非常識だ』と言うことの中にこそ、イノベーションの種が転がっています。もし全員が賛成するアイデアなら、すでに大企業がやっているでしょう。だから僕は、周囲からの反対の嵐を『これは成功する兆候だ』と、ポジティブに捉えるようにしていました。変人だと言われるのは、最大のご褒美だと思っていましたね(笑)。
これからの未来を創る世代へ
現代は情報が溢れていて、やる前から『賢く計算して諦めてしまう』人が多い気がします。でも、実際にやってみないと分からないことの方がはるかに多い。何かを始めるとき、賛成してくれる人がいなくても関係ありません。自分が『これだ!』と思う情熱の火を絶やさずにいれば、必ず一人、また一人と仲間が加わって大きな炎になります。常識を疑い、自分の違和感を信じて、一歩前に飛び出してください。
『変人と呼ばれるのは成功の兆候』という言葉が深く刺さりました。自らが現場に入り込み、地域の一員となって信頼を得ていく姿に、ビジネスの本質を見ました。素晴らしいお話をありがとうございました!