毎月分配型の投資信託に利用価値はない

最近は少し潮目も変わってきていますが、日本で一番売れている投資信託は「毎月分配型ファンド」と呼ばれる投信です。これは毎月分配金を投資家に分配するファンドです。利用価値が無いと断言するのはそれが「投資として考えた時に極端に非効率であること」と「良いものだと勘違いしやすいものであるということ」、最後に「手数料が高いこと」の3つが挙げられます。


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毎月分配型投資信託は金融商品としては全然使えない

毎月分配型の投資信託に利用価値が無いという理由をまとめると「投資効率が悪い」「実質上の払い戻しになっていて無駄だけど心地よい」「手数料が高い」という3点があります。
この3点についてより詳しく見ていきたいと思います。

 

投資効率が悪い

まず、投資効率を考えた時点でマイナスです。
税金はなるべく払わないか繰り延べする」でも書いていますが、投資における効率性を高めるのであれば税金の支払いはなるべく後回しにするのがベストです。

 

しかしながら、毎月分配型の投資信託の場合、投資してから1カ月後から分配を受けるということはその利益に対しては「いきなり課税」される形になってしまいます。

 

まだ、分配を受けたお金をそのまま自分のお小遣いとして使うというのであれば100歩譲って理解できますが、そうして分配を受けたお金を、再び毎月分配型投資信託に再投資するなんてものは、まったくもって無駄なことをしていることになるのです。

 

さらに、ファンドを運営する場合にも「毎月分配金を出す」ということは「それだけのお金をファンド内で「現金」として抱えておく」必要があるわけです。そのためポートフォリオにおける「現金」の割合が大きくなるというのも投資という点からは非効率になります。

 

 

実質上の払い戻しになっていて無駄だけど心地よい

まだ、分配金が「利益」から配分されているというのであれば問題がありませんが、多くの毎月分配型の投資信託は事実上元本の払い戻しになっています。
どういうことかというと、100万円分の毎月分配型の投資信託を買ったとして翌月に5000円の分配金が出たとします。12カ月分だと6万円で年率6%というのはいいね!と思うかもしれません。

 

しかしながら、1ヶ月の毎月分配型の投資信託の元本は99万7千円にまで下落しています。このような形で元本の目減り分を考慮すれば実際の分配金は2000円であり、残りの3000円分は単に投資した元本を払い戻ししているというのと同じことになるわけです。

分配金と元本のマイナスを考慮すると年間のトータルリターンは6%から2.4%へと大きく下落してしまいます。

 

実際に販売されている毎月分配型の投資信託は「為替リスク」などが組み合わさっているので単純にそれだけが原因とは判断できないという点も「単なる払い戻し」と思わせないようになっています。

 

分配金という確実なものはかなり安定させて配分しているので年利6%の配当(分配金)を受け取りながらリスクのある投資をしていると勘違いしやすいのです。

 

「分配金という確実性の高い収益」をより高く評価することになり、毎月分配型の投資信託に対する投資評価を高めさせることにつながっているのです。

 

手数料が高い

こうした「良い商品」と思わせることで手数料も高めに取ることができます。
投資信託の手数料で投資家が気にするべき点は「販売手数料(購入時にかかる手数料)」と「運用経費(信託報酬)」という二つがあります。

 

この二つの手数料、毎月分配型の投資信託では意外と高額に設定されています。外側だけを見ればかなり魅力的に見える商品を作って手数料を抜いている毎月分配型の投資信託は買うべきではない金融商品の筆頭です。

 

もっとも、販売手数料が無料の毎月分配型ファンドもありますが、事実上アクティブファンドがほとんどなので運用経費(信託報酬)は高いです。あるとしたらREITのインデックスファンドくらいでしょうか。

 

高齢者の年金代わりに買うのはありなのでは?

金融機関のセールストーク使われることが多いのが「年金代わり」「お小遣いに」という言葉です。
しかしながら、単なる元本の払い戻しに過ぎないのであれば、年1回分配型の債券ファンドを買って必要な時に必要な金額分を解約しても同じ効果がえられます。

 

また、分配金は安定しているように見えますが、実際にトータルで見たときはかなりリスクをとっているケースが多いです。

毎月分配型の投資信託の中には「外債」で運用するだけでなく為替のオプション取引なども活用して高いリターンを得ようとしているものもあります。相場が安定しているときはいいですが、大きく動いた時には大きく元本が小さくなるリスクもあります。

 

高齢者などは「どのくらいのお金を投資資金に回せるのか?」でも書いていますが、あまり資産運用に対するリスク耐性は高くありません。年金代わりという言葉でいかにも安定しているというように思わせて毎月分配型ファンドを売るというのはあまりほめられたことではないと思います。

 

 

もっともリスクや商品性をしっかりと理解した上で投資するというのであれば止めはしませんが。

 

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